カメラ等で収録した素材で、音声が遅れていたり、映像が遅れていたりする場合があります。たとえば花火や雷を撮影した場合、被写体が遠距離にあり、光より音の方が伝達速度が遅いため、音声が数秒遅れます。また、イベント等でデジタル処理される映像ミキサーを通過した音声と、音声ミキサーを通過した音声では、通常映像の方が遅れます。よくプロジェクターの映像が実際よりも少し遅延しているのはこのためです。このような映像と音声にズレがある現実を収録したときは、編集時にその差を補正することで、かえって現実よりもリアリティが増すことがあります。ここでは同録音を映像に対して補正する設定を解説します。
素材パレットや、タイムライン上で補正したい素材の上でダブルクリック、または右クリックして「詳細設定画面を開く」を選択・クリックします。
画面左下の「msec」の左側の四角に数値を入力して、左側の矢印をクリックして左か右かを選択します。これは映像に対して同録音を、前にずらすか(左向きの矢印)、後ろにずらすか(右向きの矢印)という数値で、単位はミリセカンド(1/1000秒)です。一秒で数値が1000になりますので、この花火の映像の例では3800=3.8秒前にずらしています。
映像が数フレーム音声より遅れている場合は、音声を後ろに(右へ)遅延させます。1フレームの数値は約33になりますので、33×フレーム分の数値を後ろにずらすと、映像の遅れを吸収できることになります。